第5話 ページ5
｢はい、これ｣
進んだ先で、えおえおさんは落ちていたものを拾い上げて、わたしに差し出した。
茶色いボディの、銃。
｢‥‥どうやって使うんですか？｣
｢ここ。このトリガーを引けば撃てる。リロードの時は、ここを抑えながら、このレバーを引けばいい｣
｢‥‥‥‥それだけ？｣
｢‥‥なんか、特別知識は必要ないみたい。トリガー引けば弾は出るし、反動もそこまで強くない。そのAKなら威力もそこそこあるから、君でも戦えると思う。替えのマガジンさえありゃずっとそれ使ってたほうがいいくらい｣
なんせ俺でも使えたし。
そう言われて、たいして重さも感じないそれに視線を落とす。
テレビやマンガでしか見たことのないものを、こんな場所で自分が使うことになるとは。
不思議と手に馴染むようなその銃‥‥AK-47‥‥を、ぐっと抱え込む。
｢構え方はこんな感じ｣
｢‥‥なるほど｣
｢撃たないでね。あいつら音に反応して寄ってくるから｣
｢はい｣
｢そう。このサイトのぞいて、照準を合わせる｣
｢‥‥はい｣
一通り指南してもらい、ようやくカタチになってきたところで、えおえおさんは顔をあげた。
｢‥‥そろそろ行こう。なんか、声がする｣
｢‥‥はい｣
言われて耳をすませば、確かに、唸るような叫ぶような、色々な声が遠くから聞こえている。
｢死んだらどうなるかわからない。とにかく、生きよう｣
とろんと下がった二重まぶたなのに、やけに力強く感じるその瞳に、肩の力が抜けるほどの安心感を覚えた。他に人がいるのかどうかはわからないけど、最初に出会った人が、この人でよかった。
全然知らない人だけど。
特別ガタイがいいとか、そういうわけじゃないんだけど。
多分、この人といれば、大丈夫。
そんな気さえしてくる。
｢見つかったら躊躇なくぶっ殺す。殺られる前に殺る。それだけ意識して。なるべく不要な戦闘は避けたいけど、そううまくはいかないだろうから｣
｢わかりました｣
物騒な物言いも、あまり気にならなくなった。そんなことを気にしている場合じゃないかもと、少なからず自覚してきたからだ。
また歩き出す。
｢‥‥他に人はいるんですかね｣
｢‥‥さぁ。でも、近くにいればその人のHPが表示される事は、君に会ってわかった｣
｢確かに｣
そうだ。
わたしには、えおえおさんのHPが確かに表示されている。
このゲージがゼロになった時、わたしはどうなるんだろうか。
考えて、ぶんぶんと頭を振った。
→
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
