第24話 ページ24
やがてエレベーターが止まり、目的の階に到着すると。
『おねーさんありがとー！』
『どういたしまして』
��わたし��が扉を抑えて、彼らが先に降りていく。
彼らは再びぺちゃくちゃとお喋りを再開して、あろう事かわたしの家のお隣の扉で立ち止まった。
彼らの後ろを、何の気なしに通り過ぎる��わたし��。
インターフォンでも鳴らしたのか、がちゃりと、扉が開く。
『おー、早かったな』
顔を見せたのは、えおえおさんだった。
『あ、どうも』
『‥‥こんにちは』
自宅の鍵を開けていた��わたし��と目が合って、お互い軽く会釈を交わす。
待って待って。
｢(そういえばわたし、この日、初めてお隣さんの顔見たんだ‥‥)｣
記憶が蘇ってくる。
そうだ、これは多分、世界がおかしくなってしまう直前の。
『プリン買ってきた』
『やるー』
『おいてめぇそれ俺のだから』
『いいじゃんみんなで食えば！』
自宅に入り、扉がしまる間に、そんな会話が聞こえてくる。
この時は、なんにも気に止めずに、うるさい人達だなぁ、くらいにしか思ってなかった。
顔すら頭に残らないほど、些細な出来事で。
呆然と��わたし��を見下ろしていると、��わたし��はまた、日常の動作に戻っていく。いや、戻るというよりも、初めから日常の中にいたのだ。
『‥‥‥‥うるさいなぁ』
｢！｣
突然、また��わたし��が呟いた。
壁の薄いこのアパート。どうやら、先程の彼らがいる部屋から早くもどんちゃん騒ぎする声が漏れてきたのだろう。
『‥‥壁ドンでもしてやるか』
｢やめて！｣
わたしの声なんて聞こえていないから、止めても無駄だ。だが、最初からわたしにそんな気は無い事もわかっている。
確かわたしは、この時。
仕事着からラフなデニムとパーカーに着替えて、玄関に向かう��わたし��の後を追う。
そう。そうだ。わたしはこの壁の向こうの喧騒に耐えられなくて、物申すために、家を出たのだ。
見守っていれば、��わたし��は玄関を出てすぐに、隣の家のインターフォンを押す。
しばらくして、またがちゃりと、扉が開いて。
『‥‥あ、どうも』
先程と同じ顔と言葉で、出てきたえおえおさん。
『えおえおー、L4D起動しとくよー』
部屋の奥から、そんな声が聞こえてきて。
｢待って！それは、｣
『何かご用ですか』
『あのですね、』
『うわ！！なに、』
『え？』
要件も伝えきらずに、辺りは目も開けられない程の光に包まれた。
すべて、思い出した。
→
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豆しば(プロフ) - こんにちは。 今回のl4d2のお話もすごく面白かったです！ chapter１ということで続きがどうなるのかと想像してしまいます...！！ 楽しく読ませていただき、ありがとうございました。ツイッタの方もフォローさせて頂いてます、応援しております！ (2018年1月29日 14時) (
レス) id: 69e60a1d87 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - FB厨さん» お世話様です！！いつも最後まで見守って頂き感謝です！！引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - まるたろさん» コメントありがとうございます！！大変嬉しいお言葉でございます……！これからも自己満足で好き勝手書き殴っていた方がいいのかもしれないと思い始めました笑 こらからも頑張ります！ありがとうございます！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
こばやし(プロフ) - もさん» コメントありがとうございます！結構自己満足覚悟で書いていたので、そう言って頂けて嬉しいですっ！これからも頑張りますっ！！ (2017年6月12日 22時) (レス) id: 110986f160 (このIDを非表示/違反報告)
FB厨 - 完結お疲れ様です！次回作も楽しみにしています(。・ω・。) (2017年6月12日 7時) (レス) id: 94e1868e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こばやし
| 作成日時：2017年6月7日 20時
