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「…ねぇ、翔太」
翔太の顔を見れば分かるのに、やっぱりどうしてもまだ信じられない。
「好きって言って、」
もう一度ちゃんと言葉で聞きたかった。
少し驚いた顔をして目を逸らすと、お前ってそんな事言うんだな、と呟く。
「好きだよ」
目を合わせて照れたように笑う翔太に、聞こえてしまうんじゃないかと思うほど心臓が高鳴った。
目を合わせたまま私の頬に手を添える。
「…ま、まって、ムリ、かも…」
キスするんだ、と思ったら、急に体が強ばった。
今までにないくらいドキドキして、翔太のこんな所見た事なくて、なんだか変に緊張してしまう。
「ちょ、っと、トイレっ」
「はぁ?」
そう言ってトイレへ駆け込んだ。
好き同士なのだから、キスくらいして当然だ。
なんならその先をする事だって有り得る。
でも翔太が相手だと思ったら上手く出来そうにない。
ドアを背にしてヘナヘナと座り込む。
こうなる事を望んでいたはずなのに、いざ目の前にすると初めての時より緊張してしまう。
だって、昔から知ってるあの翔太が、男の顔をしてた。
あんな顔、初めて見た…
カッコよくて、でもなんだか気恥しくて、どうしていいか分からない。
そんな事を考えていると、コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。
「A、」
優しい翔太の声が聞こえる。
その声を聞いてふと冷静になり、いつまでもここにいられないよな、と思いゆっくりとドアを開けた。
顔を上げられずにいると、翔太は優しく私の手を引きソファまで連れ戻す。
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バンビ(プロフ) - カレソさん» カレソ様、コメントありがとうございます。感想を頂く事が何より励みになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。 (2020年9月20日 20時) (レス) id: 290b31182b (このIDを非表示/違反報告)
カレソ(プロフ) - 完結されていたので一気読みできて最高でした。とにかく胸が締め付けられて涙がちょちょぎれてしまいました。素敵なお話ありがとうございます!今後も応援しております。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: 38540f6201 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - かなさん» かな様、コメントありがとうございます。もっと皆様に楽しんで頂けるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2020年9月6日 23時) (レス) id: d49da2a08d (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - びっくりするくらい思わせぶりな行動が多いくせになにもこっちには与えてくれない感じが苦しいんですけど好きです!続き楽しみにしています。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: d4d46f8c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年8月31日 1時