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「…向井くんが飲んでたの、それ」
「…は、おまえ、他に好きな奴いんの?」
「翔太以外に誰がいるのよ、」
いい加減、変わるきっかけを作らなければこの関係は一生続いてしまう。
好きだと伝えて離れてしまえば、もう傷付く事も無いだろう。
きっと凄く驚いているんだろうとこの沈黙から伝わるが、翔太の顔を見る事が出来ない。
「…おまえ、やっぱ酔ってる?」
「私がお酒に強い事くらい、翔太が一番知ってるでしょ」
バカだなあ。
気付いて欲しかった、だなんて、少しでも思っていた私は、本当に。
「…ずっと、」
酔ったフリでもしようかと思ったが、そんな事出来るほど私は器用じゃない。
「……好きだよ、ばか、」
隣から視線を感じるが、相変わらず振り向く勇気は無い。
やっぱあの時、向井くんを選んでおけばよかったなんて、また最低な事を考えてしまう。
この場から逃げ出してしまおうかと考えていると、翔太は一万円札をカウンターに置き私の腕を掴んで店を出た。
「ちょっと、何、」
店を出てすぐタクシーをとめ、自分の家の住所を言う。
「離して」
そう言えば何も言わず逆にギュッと力が込められる。
翔太の家に着くまでの間、腕は掴まれたままだったがお互い窓の外を見つめながら無言だった。
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バンビ(プロフ) - カレソさん» カレソ様、コメントありがとうございます。感想を頂く事が何より励みになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。 (2020年9月20日 20時) (レス) id: 290b31182b (このIDを非表示/違反報告)
カレソ(プロフ) - 完結されていたので一気読みできて最高でした。とにかく胸が締め付けられて涙がちょちょぎれてしまいました。素敵なお話ありがとうございます!今後も応援しております。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: 38540f6201 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - かなさん» かな様、コメントありがとうございます。もっと皆様に楽しんで頂けるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2020年9月6日 23時) (レス) id: d49da2a08d (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - びっくりするくらい思わせぶりな行動が多いくせになにもこっちには与えてくれない感じが苦しいんですけど好きです!続き楽しみにしています。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: d4d46f8c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年8月31日 1時