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向井くんの胸に手を置いて縋るように言う。
一瞬切なげに揺らされた瞳はすぐに逸らされ、向井くんはそのまま私を押し倒した。
気持ちを知りながら、そして向井くんの優しさを知りながら、こんな事を言う私は、最低だ。
向井くんが私にゆっくりとキスを落とす。
私の顔色を伺うように、一つ一つ丁寧に触れる向井くんに涙が出そうになった。
その瞬間、リビングのドアが開く音がして動きを止める。
驚いたが勝手に部屋に入ってくる人など、一人しかいない。
「…しょ、うた、」
私たちを見た翔太は一瞬目を見開いたあとすぐに顔を顰め、
「…ごめん、荷物取り来たけど、やっぱいらねーわ。全部捨てといて。あとこれ、返しとく」
とぶっきらぼうに言うとその場から動かず合鍵を近くの棚に置き出ていった。
「…まっ、て…」
今声にしたらいけない事は分かってるのに、気付いたら零れていたこの言葉にこれが本音なのだと思った。
困ったように笑いながら向井くんが私の頬を撫でる。
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バンビ(プロフ) - カレソさん» カレソ様、コメントありがとうございます。感想を頂く事が何より励みになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。 (2020年9月20日 20時) (レス) id: 290b31182b (このIDを非表示/違反報告)
カレソ(プロフ) - 完結されていたので一気読みできて最高でした。とにかく胸が締め付けられて涙がちょちょぎれてしまいました。素敵なお話ありがとうございます!今後も応援しております。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: 38540f6201 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - かなさん» かな様、コメントありがとうございます。もっと皆様に楽しんで頂けるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2020年9月6日 23時) (レス) id: d49da2a08d (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - びっくりするくらい思わせぶりな行動が多いくせになにもこっちには与えてくれない感じが苦しいんですけど好きです!続き楽しみにしています。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: d4d46f8c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年8月31日 1時