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「ほんまに美味い!Aさん何でも作れるん?俺簡単なもんしか作れへんから教えて欲しいわ」
「簡単なものでも作れるだけましだよ」
久しぶりに人と食べるご飯は、いつもより数倍美味しく感じた。
それでもやっぱり、どこか物足りないと思ってしまう。
私の中で翔太がどれほど大きい存在だったのか、向井くんを翔太と比べてしまっている時点で分かってはいたけど、改めて感じてしまった。
ご飯を食べ終えた私たちは、ソファで少しゆっくりしていると向井くんが口を開く。
「今日ほんまに翔太くん来ないん?」
「来ないよ。…たぶん、もう」
置かれた荷物はまだそのままだけど、自分で言っていて悲しくなる。
「…Aさん、何かあったんすか?」
「何かって?」
「翔太くんと」
「…何もないよ」
そういえば、向井くんはちゃんと人の事を見ている人なのだと思い出した。
少しの変化にも気付くのだから隠せるわけなんてないんだ。
「…向井くん、泊まってく?」
一人でいるのはなんだか寂しくて、隣にいてくれる人を求めてしまう。
「…それ、どういう意味か分かってるん?」
「分かってるよ、」
「…Aさんて結構小悪魔っぽいとこありますよね」
「なにそれ。ごめん、服翔太のしかないんだけど」
お風呂に案内する前に着替えを持たせようと渡したものは翔太の置いていった服だ。
「…それはちょっと、複雑やねんけど」
「ふふ、ごめん」
「うそです、ありがとうございます。借りますね」
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バンビ(プロフ) - カレソさん» カレソ様、コメントありがとうございます。感想を頂く事が何より励みになります。最後まで読んで頂きありがとうございました。 (2020年9月20日 20時) (レス) id: 290b31182b (このIDを非表示/違反報告)
カレソ(プロフ) - 完結されていたので一気読みできて最高でした。とにかく胸が締め付けられて涙がちょちょぎれてしまいました。素敵なお話ありがとうございます!今後も応援しております。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: 38540f6201 (このIDを非表示/違反報告)
バンビ(プロフ) - かなさん» かな様、コメントありがとうございます。もっと皆様に楽しんで頂けるように頑張りますので、今後もよろしくお願いします。 (2020年9月6日 23時) (レス) id: d49da2a08d (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - びっくりするくらい思わせぶりな行動が多いくせになにもこっちには与えてくれない感じが苦しいんですけど好きです!続き楽しみにしています。 (2020年9月6日 22時) (レス) id: d4d46f8c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:バンビ | 作成日時:2020年8月31日 1時