サイダー１滴分【ブルーロック】

▪️ ページ33

いくら待ってもなにも起きないので目を閉じていたがうすく開ける。
まあ、そこには真っ赤になったぱっつんがいるわけで。

『なに、するんじゃなかったの。』

「...やっぱお前からして。」

『ちゅ、注文が多い！！』

うるせぇなんていってるけども肌寒いのに真っ赤になってる冴が言うので全く怖くない。いつもならうへぇ何て言いながら渋々望み通りにしているだろう。

『仕方ないなぁ。ほらもっと近づいて。』

ふわっ、と冴の頬を優しく包み込んで近づける。困り眉になり真っ赤だったのがさらに赤くなる冴をみてコイツは甘えベタの受けだなと自分の中のBL糸師冴を訂正した。

ちゅ、と冴の唇にキスをし、そのまま少し空いていた隙間から舌をいれる。じっ、と冴を観察しながら上顎を撫でたり歯茎をなぞったり、一番ベタな舌を絡ませたり。

いろいろなことをすると冴は表情が変わっていって面白い。
ぷは、と離れればつう、と銀の糸をひいてはなれていった。ああ、なるほど離れればこうなるな。となるといつも描いていた絵を修正しなければ。

「げほ、お、俺の知ってるキスじゃねぇ、なんなの。」

『ありがとう冴。すごく勉強になった。』

ごそごそいっているなと思ったら凛くんが起きていたらしい。

「え、あ...」

『おはよう凛くん。

真っ赤になってどうしたんだ＿＿？！』

ちゅ、とかわいらしい音がしたと思ったら今度は凛くんが口にキスしてきたらしい。兄弟揃ってキス魔なのかい？

「...にーちゃんばっかずるい。」

『なにが？？？』

「はあ？凛、コイツは俺が初めにキスしたんだから俺のだ。手を出すな。」

「抜け駆けだ！！」

『よく知ってるねそんな言葉。ところでなんのはなし？？？』

その日からわりと距離が近くなり、中学生になってからドでかい兄弟喧嘩と俺はどちらの味方だの高校生になりゃブルーロックだのなんやらかんやら、それはまた今度語ろうではないか。

＿＿俺？俺はただのしがない絵描きだよ。

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