爆豪vs麗日 ページ22
そして、ついに戦いが始まろうとしていた。
『中学からちょっとした有名人！！堅気の顔じゃねぇ。ヒーロー科、爆豪勝己！！vs...俺こっち応援したい！！ヒーロー科、麗日お茶子！』
二人とも...頑張れ。
｢お前、浮かす奴だな丸顔。退くなら今退けよ。『痛ぇ』じゃすまねぇぞ｣
｢先程言っていた爆豪くん対策とは何だったんだい？｣
飯田くんが、デクにさっきの内容を聞いているようだ。
｢ん！本当たいしたことじゃないけど...かっちゃんは強い！本気の近接戦闘はほとんど隙なしで動くほど強力になってく個性だ。空中移動があるけど...とにかく浮かしちゃえば主導権を握れる。だから...速攻！！｣
｢START！｣
｢退くなんて選択肢ないから！｣
そう言いながら走り出す麗日さん。
｢事故でも触れられたら浮かされる！間合いは詰められたくないハズ！だから、かっちゃん的には...回避じゃなくて迎撃！！｣
デクの推察通り、かっちゃんは右手を構えた。麗日さんは避けようと身構えるが、
BOOOOM
かっちゃんの攻撃が直撃した。あれ絶対痛い...
｢じゃあ死ね｣
煙幕の中、かっちゃんは更に麗日さんに攻撃を仕掛けようとする。けど、
｢ナメっ...！！｣
『上着を浮かせて這わせたのかぁ。よー咄嗟に出来たな！』
麗日さんはすかさず、かっちゃんに触れようとするが...
BOOOOOM！
｢ぶわっ｣
すぐに、離された。かっちゃんは元々の反応速度がピカイチだ。麗日さんには正直分が悪い。
『麗日、間髪入れず再突進！！』
｢おっせぇ！｣ BOOOOOM！！
｢おらあああああ！！！｣
麗日さんは絶え間なく突進し続ける。
しかし、そんな様子に我慢できなくなったのか、
｢おい！！それでもヒーロー志望かよ！そんだけ実力差あるなら早く場外にでも放り出せよ！！女の子いたぶって遊んでんじゃねーよ！！｣
私はその言動にカチンときた。
何も分かってないくせに、遊んでるって言ったの誰だよ。
｢黙れよ...｣ ボソッ
この時私は、気づいていなかった。
自身が、殺気を出していたことに。
そんな私を、隣にいるデクが静かに心配していたことを。
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作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
