すこぶる冷静 ページ11
油断していたわけでは決してなかった。
けれど、それは容易く取られてしまった。
｢ミッドナイトが第一種目と言った時点で予選段階から極端に数を減らすとは考えにくいと思わない？だから、おおよその目安を仮定し、その順位以下にならないよう予選を走ってさ。後方からライバルになる者たちの個性や性格を観察させてもらった。
その場限りの優位に執着したって仕方ないだろう？｣
｢
｢まあ、全員の総意ってわけじゃないけど良い案だろ？人参ぶら下げた馬みたいに仮初の頂点を狙うよりさ。
あ、あとついでに君有名人だよね？｢ヘドロ事件｣の被害者！今度参考に聞かせてよ。年に一度敵に襲われる気持ちってのをさ｣
この人、一々勘に障る言い方するな...
あー...ムカつくなぁ。
｢切島...予定変更だ。デクの前にこいつら全員殺そう...！！｣
｢賛成。とっとと終わらせよう｣
私は多分この時、少し冷静さを欠いていたんだと思う。自分が挑発好きな分、他人に挑発されるのはめっっちゃムカつく。
｢あんま煽んなよ物間！同じ土俵だぞそれ｣
｢あぁ、そうだね。ヒーローらしくないし...よく聞くもんね。恨みを買ってしまったヒーローが
｢おっ、おっ、おおォォ...｣
｢爆豪落ち着け、冷静になんねえとP取り返せねぇぞ！！｣
｢ちょっと君。それ、誰の事言ってるの？｣
｢おい万能まで！？頼むからよぉ！お前が爆豪のストッパーになんなきゃ意味ねぇんだぞ！？｣
｢っし進め切島...！俺は今...すこぶる冷静だ.
..！｣
｢同じく｣
｢頼むぞマジで｣
私たちはPを取り返すために...というより、挑発に乗って、かっちゃんが攻撃を仕掛けた。けど、
｢ははぁ...へぇ！すごい！良い個性だね！｣
彼はかっちゃんと同じ個性で反撃してきた。
｢俺の...！！｣
｢爆豪、おめーもダダ被りか！！｣
｢くそが！！！｣
｢僕の方が良いけどさ｣
今度は切島くんの個性を使ってガード。
これって...
｢んなああー！俺の！？また被っ...｣
｢違うよ切島くん、この人...｣
｢コピーしやがった｣
｢正解！まぁ、バカでも分かるよね｣
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作者名：夢桜 | 作成日時：2019年3月20日 20時
