双子の人生 (ページ18)

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北の森５ページ18

一方、教室では…。
「なあなあ、あの転校生北の森攻略できると思うか？」
「あー。ムリムリ！ベアの時点でリタイアに500円！」
蜜柑とAが北の森をクリアできるかという話で盛り上がっていた。
(疲れてたからじゃない…。確かにアリスを使ったはずなのに何も起こらなかった…。それに、もう一人は殺気まで…。あいつら何者だ……？)
棗の考え込んでいる顔に不思議そうな顔をする流架。
「あの転校生たちに何か気になることでもあるの…？」
「……何でもない。」
棗は一言流架に答えた。
所変わって北の森では、不機嫌そうな顔の流架が縄で縛られていた。
「ーというわけで、あのヒヨコちゃんを何とかしてほしいねん。」
「「どういうわけだ。」」
「息ぴったし！」
流架と蛍のツッコミに動じず、笑顔の蜜柑。
「蛍の麻酔入り吹き矢で眠らすことも出来たんやけど、泣いてるしかわいそうだったから…」
「イヤならべつにいいのよ。ー私、鶏肉好きだし。」
「「わーっ!!」」
吹き矢を構える蛍を止める流架と蜜柑。
「絶対見るなよ。」
その条件の元、流架はアリスを使ってくれることになった。木に隠れるようにして全員流架を覗く。
「見ちゃっていいのかな…」
「絶対開けちゃいかんとか絶対見ちゃいかんとか、裏を返せばみて良いいうことやから…ええんやない？」
「ー…ただの興味。」
蜜柑はそれっぽく理由を述べたが、約束を破っていることに変わりはない。そして、Aは自分の素直な気持ちを一言言った。
「そういえば、流架君がアリス使うところ、僕見たことないかも。」
「私もよ。」
((一体どんな感じになるのか。))
期待に胸を膨らませる蜜柑とA。
そして、その時がやってきた。
「なんて産毛がステキなヒヨコちゃんっっｖｖ」
「ぶっ…。」
流架の変わりように吹き出すA。
「一緒にあ～そ～ぼ～う～～～ｖｖ」
Aは吹き出して以来下を向いて黙っているが、微かに体が震えていることで、笑っていることがわかる。蜜柑も微かに笑っていた。