双子の人生 (ページ14)

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北の森１ページ14

そして、蜜柑とAは、北の森へと向かった。嫌がる蛍と、心配でついて行くと言った委員長と共に。棗が不馴れな新入りということで同行を許したようだ。
「ここにはいっぱいヘンなのがいるから気を付けてね。」
「早速出たわよ。へんなの。」
蛍の指差す方向には、薪割りするテディベアの姿が…。
「逃げた方がいいよー…。」
そう言う委員長は、震えながら木の影へと隠れる。蛍は、自作メカ、いも虫一号へと我先にと隠れていた。
「ー…ベア…？」
ピクッ…。
テディベアは、Aの言葉にピクリと反応し、訝しげにじっと見る。Aは、ベアへと近づき、しゃがみこみ、頬杖を付きながら見つめた。臨戦態勢のベアにAは微動だにせず。
「ー…うん。心配しなくていいよ。元気だって。」
「……ー。」
動きを止めたベアは、Aの言葉を待つようにじっと立つ。
(ここはAに任せた方が
ええな…。)
「……『会えるのを楽しみにしてる』ってさ。」
「……！」
Aがそう言った後、ベアは臨戦態勢を崩し、Aにすり寄った。
「…ーかわいい…。」
Aはベアを見てつぶやく。
「フフっ…。おともだちになれたみたいやな。」
「ーうん。」
「うちもおともだちになりたいんやけど、ええ？」
ー…コクリ。
ベアは、蜜柑の問いに頷く。