双子の人生 (ページ12)

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教室内３ページ12

それまでペラペラと話していたパーマだが、Aの一言で口が開かなくなる。蜜柑は、一足遅かったと頭を抱えた。
「ん゛ー！んー！」
どうやっても口が開かず、もがいているパーマ。そんなパーマを冷たい目で見つめるA。
「てめえ、何しやがった…！」
パーマの様子がおかしいことに気づいたクラスメイトは声を上げる。
「ー訂正。【全員、黙れ】」
静かになった教室。
だが、Aの怒りはそれでも収まらないようだ。
「ー"アリス以外の人間なんて、アリスのひきたて役で使い捨てのいくらでも代わりがきくもの"…だっけか…？試してみようか…？」
そう言ったAは少々嘲るような笑みを浮かべた。
「"ここにいる全員のアリスをキャンセル"【窓よ、割れろ】」
Aの言葉通りに窓が割れる。
クラスメイトがアリスを使おうとするが、使えないようだ。
それもそのはず。
Aのアリスであるキャンセルで使用ができなくなっているからだ。パーマの体が突然持ち上がり、窓の外へと引き寄せられる。
「アリスが使えない一般庶民さん。あなたが落ちても代わりはいくらでもきくよ？」
Aの言葉でどんどん顔が青ざめていくパーマ。
「A、ストップ。」
その一言でAの言葉がピタリと止まる。Aを止めたのは、浮遊力のアリスがキャンセルされ、教室の真ん中に立っている蜜柑だった。
「ーっ…でも、お姉ちゃん、こいつは非アリスの人たちを…。」
「Aは今、そこのパーマが言ったことと同じ事をしようとしとったんやで？」
ハッと我に返り、バツが悪そうな顔をするA。
(ーあともう一声…。)
ギュッとAを抱き締め、頭を撫でる蜜柑。その手つきは、大丈夫と宥めるような優しさが滲み出ていた。
「ウチはAが優しい子いうの知っとるよ。」
「お姉ちゃん…。ー……【全て元に戻れ】。"解除"」
Aの言葉通り、割れた窓は修復し、パーマも元の位置へと戻っていた。