双子の人生 (ページ11)

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教室内２ページ11

「アリスを教えろ。」
「い・や・や！」
一旦下ろされた蜜柑だが、またもや持ち上げられる。なされるがままの蜜柑。Aはそんな蜜柑を見て楽しんでいるなとひっそりと思っていた。
「『ウチらのアリスは口がさけても言えんなー…。知ったらみんな、は…』ー…あれ、読めなくなっちゃった…。」
途中で無効化のアリスを発動した蜜柑。どうやら、読心術のアリスをで心を読まれていたようだ。
「まさか、この子たちアリスを騙ってもぐりこんだんじゃ」
「アリスアリスてさっきから…。そんなにアリスが「えらいわよ」
蜜柑の言葉を遮るパーマ。
パーマの一言で教室の空気が変わった。
「何も知らないみたいだから教えてあげるけど、私達は国に認められて保証されてる特別エリートなのよ。アリスは、政治、芸術、学問、いろんな分野で多大な成績を残してきたわ。この国のスペシャリストは、ほぼアリスで成り立っていると言っても過言じゃないのよ。」
(ー……。…はあー…。)
(A、耐え。)
(ー…わかってるよ。)
(なら、ええねんけど…。)
「アリス以外の人間なんて、アリスに群がって恩恵を受けるだけの寄生虫か手足となるだけの働きアリ。いわば引き立て役よ。」
(A、ガマンやで…。)
蜜柑は心の中で願うように呟いた。
「私達は選ばれた人間なの。使い捨てのいくらでも代わりのきく一般庶民とは人間の格が違うのよ。」
その言葉がパーマから紡がれた途端、Aの回りの温度が数度下がった。
「A…、まっ…」
「【黙れ】」
蜜柑が止めようとするも、Aはアリスを使ってしまった。