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ぎく、とジンヒョンと二人、声の方向に視線を向けると、眠るように目を閉じたままの彼女。
そのまま視線を逸らせないでいると、その唇がかすかに動き、
『すみません…』
と。
幽霊じゃなかった!
ほっとして力が抜けた。
て言うか、これが人の声?
ほんとに?
すごいしゃがれて、
低めの、
喉風邪が治りかけ手前みたいな声だったけど。
SJ「話せるの?あなた誰ですか?なんでこのフロアに来れたの?ライブのスタッフ?」
散々怯えさせられた反動なのか、苛ついているジンヒョンが矢継ぎ早に問い詰めてる。
彼女は具合が悪そうに眉を寄せて、目が開けらないのか、むずがるように顔をしかめてる。
その真っ赤なへの字の唇が、重そうに動いた。
『スタッフです…大道具所属です…エレベーター、間違ったみたいです…ご迷惑を、おかけしてほんと…少し、休んだら、部屋に、戻りますんで…』
なんだ、本当にこの人、
普通の人じゃん。
そう思ったら、
俺の中の庇護欲が、
なぜかふつふつ湧いてしまった。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年11月28日 0時