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「ヒョオオオオン!!!!」
と、セジンヒョンを見つけた俺は、この猛った感情のまま名前を絶叫してた。
S「あ、ちょっとごめん。グク、電話中」
クールに切り返されても、めげずにがっしり腕を掴んで、引っ張って、話を聞けと促した。
すると、
S「あ、Aさん」
て。
Aさん?
今、電話の相手、Aだったの?
連絡先消したって言ったじゃん。
このヒョンまじ…ほんと…血管切れそう。
S「グガ、お前電話中はやめろ」
Aとの電話はあっさり終わったヒョンが、煩わしそうに俺を剥がしたけど、俺はその腕をまた掴んで、わっと噛みついた。
「ヒョン!!!電話!A!??いつから!なんで!」
感情がたかぶりすぎて、カタコトしか話せない俺に、ヒョンは
S「見つかったか〜、案外時間かかったな」
と、ぬけぬけと…
俺は軽く深呼吸をして、
「入社はヒョンが手回したんでしょう?なんでそんなこと?ヒョン、俺から遠ざけ違ったんじゃないんですか?」
一息で言い切ると、ヒョンは肩をすくめて、
S「いや、そのつもりでいたんだけど、彼女の会社が倒産して、力になってやりたくてさ」
と、何でもないような声で言った。
「えっ、倒産…」
す、と気持ちが冷えて、Aが大変だったんだとしゅんとした。
セジンヒョンは、
S「うちはいつでも人手不足だろ」
と言って、ちょっと俺を見て、困ったように眉を下げて、
S「彼女とのデリケートな関係を考えると、会社やお前のためを思えば、無視した方が良かったんだけどなぁ」
でも、できなかったよ、とちょっと不思議な、感情の見えない顔で俺を見た。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年11月28日 0時