地上の楽園 -いち- 【JK】 (ページ43)

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『…知らない人、いませんよ』

動揺しているのを隠したいのか、彼女は俺から目を合わせたまま、へら、と笑った。

そして、ごく自然に俺から腕を引いたので、人目もあるしこれ以上は無理かな、と開放してあげた。

すると、彼女はくるっと後ろを向いて、折れた枝を手に取った。

作業に戻るから、話しかけるな、そんな感じ？

甘いよ。

JK「俺もそれ、やってみたいんだけど」

びくんっ、とわかりやすく揺れる肩。

TH「あ、それは俺もやってみたい」

…だから、空気読んでって。

すると、彼女は何を思ったのかテヒョンイヒョンにグルーガンを押し付けて、あっという間に他のスタッフのところに走って行ってしまった。

それから何事か話し合ったかと思うと、

KS「すみません、彼女、調子悪いので、僕が代わります！」

と、すぐによく知った男性スタッフのカン・シヨクさんが来てくれて、グルーの使い方を教えてくれる。

視線の先で彼女は、こちらを振り返りもせずに、一目散にかけて行ってしまった。