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…思わず、携帯を見たまま乗り込もうとしたジンヒョンの腕を掴んで背中にかばった。
SJ「何!びっくりするだろ…って…!?」
青ざめたジンヒョンと俺の視線の先の、エレベーターの中。
黒い服の長い髪の女の人が、ぺたりと座っていた。
「…ヒョン、SPに電話…」
ひそめた声でジンヒョンに言っても、ヒョンは恐怖で凍りついている。
お互い動けないまま、女の人に視線を釘付けになる。
俺も携帯、ズボンのポケットに入れてたっけ、と思い出したところで、女の人は不意にゆっくりと体を揺らし、そのままエレベーターの床に頭から倒れ込んでしまった。
その時、俺は気付いてしまったんだ。
だから、
とっさに一歩を踏み出して、
女の人に声をかけてしまった。
「大丈夫ですか?」
声をかけても、返事はない。
でもやっぱり、
この人の着てる服。
SJ「ちょっと!不用意に近付くなって!サセンだったらどうすんの!なんでこのエレベーターに乗ってんの?」
ジンヒョンが慌てたような声でまくし立てるのを聞き流して、俺は気付いたことをヒョンに伝えた。
「ヒョン、この人スタッフTシャツ着てますよ」
だから完全に大丈夫ってわけじゃないけど。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年11月28日 0時