13 ページ13
ミニショルダーの前ポケットに入っていたカードキーには部屋番号が書いてあった。
フロアで他のスタッフや、俺を知る誰かに会ったらどうしようかと少しドキドキしたけど、幸い誰にも会わずに済んだ。
カードをかざして解錠したけど、どうやったらドア開けられんの。
あー、ジンヒョン送り出すんじゃなかった、と少し後悔して天井を見て、それから下を見る。
そしたらそこに、自分の足があった。
足!
俺、天才なんじゃない?
と思いつつ少し後ろに下がって、足のかかとでドアノブを回して開く。
廊下側に開く方のドアだったら詰んでたけど、結果オーライ。
オートで着光した灯を頼りにベッドを探したけど、探す必要もないくらい狭いワンルームだった。
昔はこんな部屋だったな、と懐かしく思いながら、彼女をベッドに寝かせてあげた。
どさ、と派手に音がしたので、少し乱暴だったかもしれない。
ベッドの端に座って少し様子を伺うと、めちゃくちゃ顔をしかめている。
どこか痛かったのかもしれない。
いやほんと、おんぶは得意なんだけど。
ふだん乗ってくる人は、勝手に乗って勝手に降りてくだけなもんだからさ。
1001人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フネ55 | 作成日時:2022年11月28日 0時