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ミニショルダーの前ポケットに入っていたカードキーには部屋番号が書いてあった。

フロアで他のスタッフや、俺を知る誰かに会ったらどうしようかと少しドキドキしたけど、幸い誰にも会わずに済んだ。

カードをかざして解錠したけど、どうやったらドア開けられんの。

あー、ジンヒョン送り出すんじゃなかった、と少し後悔して天井を見て、それから下を見る。

そしたらそこに、自分の足があった。


足!


俺、天才なんじゃない?

と思いつつ少し後ろに下がって、足のかかとでドアノブを回して開く。

廊下側に開く方のドアだったら詰んでたけど、結果オーライ。


オートで着光した灯を頼りにベッドを探したけど、探す必要もないくらい狭いワンルームだった。

昔はこんな部屋だったな、と懐かしく思いながら、彼女をベッドに寝かせてあげた。

どさ、と派手に音がしたので、少し乱暴だったかもしれない。

ベッドの端に座って少し様子を伺うと、めちゃくちゃ顔をしかめている。

どこか痛かったのかもしれない。


いやほんと、おんぶは得意なんだけど。


ふだん乗ってくる人は、勝手に乗って勝手に降りてくだけなもんだからさ。

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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年11月28日 0時

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