今日:57 hit、昨日:94 hit、合計:318,846 hit
小|中|大
12 ページ12
『…ほんと、申し訳ありません』
エレベーターを待ってる間、眠っていると思っていた背中の方からかすかな声が聞こえた。
存在ごと消え入りそうな、申し訳無さが溢れ出ている声に、俺は
「ちがうでしょ」
と返事を返した。
どうしようもない失敗をして、
それをフォローしてくれる人がいたら、
その人に伝える言葉は、
謝罪の言葉じゃ無い。
そう、ヒョンたちが教えてくれた。
「ありがとう、でしょ?」
『…ありがとう、ございます…』
震えるような声は、
感謝の気持ちに溢れていた。
それは俺の胸を、
ちょっと暖かくするのに十分だったから、
思わず口角が上がるのを感じた。
「ん」
よいしょ、と下がってきた体を抱え直す。
さっきはあんなに重いと思ったのに。
今は全然、
軽いくらいだと思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
1001人がお気に入り
1001人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フネ55 | 作成日時:2022年11月28日 0時