私たち結婚しました [JH]２

戻って来た平和と回る歯車 ページ22

「この前はありがとう」

あの日から2日。

ウギョルの収録中に、指輪を見せながら奴に言う。

悪魔は驚いた後、いいえなんて当たり障りなく答えたくせに、

その目は一切笑っていない。

むしろ怒ってる。

そりゃ私だってこんな風に言うべきじゃない事は、

十分理解してるけど、

今じゃないと目を見て言えないっていうのが本音で。

申し訳ないとは思いつつ、

悪魔と変わらず喧嘩出来る事を、

少しだけ嬉しく思う自分がいる。

今日のウギョルは何も知らされていないパターンの撮影で、

見慣れたミッションカードがPDから渡された。

「新居に行ってください…」

カードに書かれた文面を読み上げて、

悪魔が一瞬固まった。

固まる気持ちもわからんでもない。

まぁどんなに戸惑ってもミッションはミッションで。

諦めてミッションカードに書かれた住所に向かうことにした。

新居までの道のりもカメラは回り続けているので、

当たり障りない会話をしながら演技をし続ける。

悪魔も大概上手いものだよななんて感心していれば、

車は新居に到着した。

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