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「じゃぁまたね」

送るよ!っていう弟たちの言葉を、

適当な理由で断って事務所を出た。

うちの事務所までは距離もないし、

勝手にお邪魔したのは私の方だ。

わざわざ送ってもらうのは悪いと思って断ったけど、

送って貰えば良かったかなと静かに広がる闇を歩きながら思う。

そんな時後ろから肩を叩かれ聞きなれた声がした。

「おい、A。

お前…1人で帰るとかバカなの?」

気を使ったのか抑え気味な声で呼び止めたのは悪魔で。

走ってきてくれたのか息が上がっている姿に、

余計な一言も今は許してあげようかと思える。

ていうか今名前呼んだ?

「バカじゃない」

また可愛くない私に、悪魔はバカだろって呆れたように言う。

「1人でうちに来た時は俺が送ってやるから、

帰る時に言えよ。

特にこんな夜中は」

そう言って悪魔はポケットに手を突っ込んだ。

なんか、なんだろ。

相変わらず妙に優しい悪魔にそわそわしてしまう。

「俺に迷惑かけるとか今更思うなよ。

一応、世間的には夫婦なんだし」

少し先を歩きながらそう言う悪魔の耳が少し赤いのが見えて、

口元が緩んだ。

そういうとこがずるいんだよな。

「わかった」

恥ずかしさもあって素っ気なくなった答え。

続けて何を言えばいいか分からなくて、

また練習室の時みたいな沈黙が流れた。

前までは気まずかった沈黙も、

今は別に平気で。

むしろ少し心地よく感じる。

うちの事務所まではあとちょっと。

あっという間のその距離に、

もう少しだけを願うのは欲張りだろうか。

「まだ作業すんの?」

「え、うん」

突然の言葉に戸惑いながら返すと、

悪魔はふーんと何故か興味なさそうな返事。

いや、あんたが聞いたんや。

と、心の中でツッコミを入れる私に、

じゃぁ…と悪魔が振り返った。

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やふこ(プロフ) - ああ!今回は弟たちのやり取りも見れて、そうだったの?ってなりながらも、ハニくんが甘くて手が止まらなかったです!!すぐ続き、行ってきます!!← (2023年1月18日 9時) (レス) @page50 id: 76622097b3 (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - koro39さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2022年3月12日 6時) (レス) id: c0ca8cff26 (このIDを非表示/違反報告)
koro39(プロフ) - 完走ぜひ!!一気読みするほどハマりましたー! (2022年2月22日 23時) (レス) @page48 id: 3d70232f0d (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - 於音###さん» ありがとうございます、心底嬉しいです!完走までもう少し、頑張ります (2021年9月15日 1時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)
Rui*(プロフ) - 千笑さん» ありがとうございます!!そうです!バーノンくんを励ましてました!! (2021年9月14日 23時) (レス) id: e197707fad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rui* | 作成日時:2020年11月15日 19時

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