私たち結婚しました [JH]4

＊ ページ33

S.COUPS side



「愛されてるねぇ…」

「うるせぇ…」

壁に背中を預けながら言えば、

ハニは複雑そうな顔でそう呟いた。

可愛い弟達の恋愛事情に、

気付いていなかった訳じゃない。

あえて何も言わなかっただけだ。

ハニに上手くいって欲しいとかじゃなく。

俺は皆の長男だから、全員が幸せであってほしい。

その為には誰の背中も押さずに、

口出ししないのが1番だと思った。

「泣かすなよ、誰も」

ぽんっとハニの肩に手を置いて、

涙を拭いて笑っている弟達を呼びに向かう。

今日は全員甘やかしてやろう。

久々にご飯に行くでも良いし、

練習を早めに切り上げるでも良い。

チキンを取るのも良いかもしれない。

不器用な兄の為にそれぞれに頑張った弟達を、

褒めてやらなければ。

「スングァナ、ハンソラ、ディノ！

そろそろ行くぞ。

早く来た奴にはジュース買ってやる」

とりあえず目の前の3人からだな、と声をかければ、

少し涙に濡れた目で、

わーい！と喜んで走ってくる3人を抱きしめた。

「わ！どうしたのヒョン」

「クプスヒョンが変だ！」

「シュアヒョーン！助けてー！！」

可愛くない弟達は笑って、

通りすがりのシュアに声をかける。

こいつら本当。

「お前らなぁ…ジュース無しにするぞ」

「嘘ですよヒョン！」

「冗談ですよ〜！」

手のひら返しが早い弟達を、

クスクス笑うシュアの向こうで、

複雑な顔のまま去っていくハニが見えて。

本当罪作りな人だななんて。

彼女の顔が浮かんだ。

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