私たち結婚しました [JH]4

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気づかれている気がする。

ソアオンニとも別れて1人で電車に揺られながら、

何となくそう思った。

あの綺麗な顔で、真っ直ぐな瞳で、私を見ないで欲しい。

恋って本当に罪深い。

1人で生きていけるし、生きていくと思ってたのに、

こんな時頼りたくなるなんて。

移り行く風景にため息をついて、

少し震える手を握りしめた。


「久しぶり」

途中で買った花束のフィルムが冷たい石に擦れて音がする。

いやに静かなその場所でいつものように目を閉じた。

木々の音を聞きながらもう随分前の記憶を思い出す。

いつの間にか私だけが時の流れの中に取り残されて、

冷たい土の上に立っている。

「私ね、好きな人ができたよ。

こんな私が好きになっていいのか、

分からないままだけど。

きっと…大丈夫だよね…？」

溢れる涙を抑えることもできず会えない人を感じる様に、

冷えた石に手を伸ばした。

「会いたいな」

頭では理解していても消しきれない思いを口にして、

無理にあげた口角から入った涙がしょっぱくて、

馬鹿みたいだと吐き捨てた。

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