運命の花を 阪神タイガース

伝えるまで ページ22

今成に二人きりにされて、

本当にあいつは、

頭がまわる、というか、


とりあえず、彼女を送ることだけに専念しよう、


俊介「じゃあ、行こっか」


A「はいっ！おねがいします」


そう言って恥ずかしそうに見せるその笑顔は、

昔と変わらず、

強いて言うのなら、その笑顔が少し大人びたこと、

だけども、あどけなさが残る、

その笑顔はやっぱり、変わっていなくて、

俺はその笑顔に惹かれたんだ、


俊介「えっと...助手席でもいいかな？」


A「大丈夫ですよ、お願いします！」


そう言って隣に座る彼女、

ああ、高校の時だってこんなに近くに座ったことはあっただろうか、


俊介「じゃあ、行くね」


しばらく車を走らせれば、

沈黙が続いて、

なにか、話さなければ...

そう思った瞬間、


A「俊介さんって、どこ出身なんですか？」


俊介「えっ、福岡だよ、」


A「福岡なんですかー！？」


俊介「あ、でも、途中から、広島に住んでたよ、高校は広島の高校だったし」


A「えっ！私も広島でしたよっ！」


知ってる、君をずっと、想ってたから、

なんて言えるはずもなく、


A「どこの高校なんですか？」


ここで、同じ高校だった、

なんて言う勇気は俺になくて、


俊介「野球で有名だったとこだよ、そっ、それより、高校でのいちばんの思い出って何かある？」


うまく話をそらせただろうか、

真実を話せないのは、意気地がないから、

でも、いつかは、伝えるから、

過去のことも俺の気持ちも、

到着したけど→←様子がおかしい君

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