運命の花を 阪神タイガース

あの秋の日 ページ3

伽凛「聞いたー？野球部負けちゃったってー」


結愛「うそー！先輩のかっこいいとこもっと見たかったー」


深雪「また今度見に行かない？」


結愛「行く行くー！！Aちゃんはどうする？」


A「えっと...私はいいかな、ごめんね」


伽凛「えーっ！もったいない、だってもう、卒業しちゃうんだよ？」


上本博紀先輩、


うちの学校が、野球で有名なのは知ってる、

けど、正直、興味がなかったから、

私には、一生これから、会うことの無い人だから、

そう思ってた、夏、


秋になって、少し肌寒い頃、

委員会で遅くなって、グラウンドを横切ろうとすると、


A「これ、野球のボール...？」


まわりを見ても野球部らしき人はいなくて、


A「しかたないから、届けに行こうかな」


野球部の部室の前に行くと、一人の影があった、


A「あの...すみません、この、ボール落ちてました」


「すみませんっ、ありがとうございます」


その声と同時に振り向いたその顔は、

上本先輩だった、


A「気にしないでください、」

なんで、引退したはずの先輩が？と思ったけど、

それを見通したかのように、


上本「後輩の面倒見るっていう建前で、本当は悔しくて、まだ、気持ちの整理がつかなくて」


A「そうだったんですか...」


これ以上なにも言葉がでなくて、


A「えっと、お邪魔しました、」


そう言って帰ろうとすると、

ドンっと、なにかにぶつかった


「あっ、すみません、大丈夫？」


A「はいっ、大丈夫です」


もう、そっからはよく覚えていない、

ぶつかった相手が誰だったかも、あやふやな、

なにもなかった高校生活、

萩が風に吹かれ揺れていた、



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