『狂った愛』 ページ23
「ごめん。俺、他に好きな子ができたんだ。だから――別れてほしい。」
光隆は、申し訳なさそうに言った。
それが、本当の気持ちかは、涼には判別出来なかったが。
「そっか」
涙が溢れそうだったが、必死にこらえた。
涙の代わりに漏れ出たのは、その言葉だ。
と、ここで一旦息を大きく吸う。
涼は、香苗の目を真っ直ぐ見て言う。
「おかしいと思うのです。付き合っているのにほかの人を愛するなど」
「だからってそれは!」
と、涼は冷たい視線を投げる。
「先生は黙っていてください」
その迫力に蹴落とされ、香苗は口を噤む。
「光隆が誰を好きかはすぐわかります。あいつは、分かりやすいから」
香苗は、その光隆の想い人のことを思い出す。
口数は少なかったが、可愛らしい。
それが第一印象だった。
「由佳。私はあいつを許せなかった」
ギリリ。と唇を噛み締める涼。
その恨みがどれほどのものかは、香苗には推測できなかった。
「私があいつに復讐するのは、自然なこと。」
狂っている。香苗はそう思った。
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みき(プロフ) - のんこさん» 可愛いだなんて……ありがとうございます (2018年3月17日 17時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のんこ(プロフ) - 毎回毎回、お話が可愛すぎて…・゚・(。>д<。)・゚・きっと、作者さんは可愛いお方なんだろーな…((´∀`*))最後まで頑張ってください!!見守ります!! (2018年3月16日 19時) (レス) id: eb60c4dd1a (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» ありがとうございます! (2018年3月11日 18時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - みきさん» こんにちは。「いきたがり」読み直させていただきました。機械的で、どこか傍観者で、助けられなかった当事者の後悔がよく見えて素敵です(´∀`)他のお話も楽しませていただこました。蒼と蒼汰は混乱しましたが注意書きで理解しました。可愛らしいお話でした(*´▽`*) (2018年3月11日 18時) (レス) id: 4e18fefbbe (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» アドバイスありがとうございます!私なりに変えてみました。どうでしょうか? (2018年3月6日 20時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みき | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月31日 22時