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『白』 ページ17

やけに重い瞼を開けると、
そこは、限りなく白い空間だった。

辺りを見回す。
ここには彼以外には、人っ子一人もいやしない。

試しに壁に向かって走ってみるが、
それにはいつまでたっても近づけなかった。

自分が走っているのかもわからないほどだ。
試しに叫んでみる。

それは、壁から跳ね返ってくる。
ということはなく。

彼には、自分の声が出ていないのか、
ここには壁がないのか、わからない始末だった。

「あははは」

底抜けに明るい声が聞こえた。
すると目の前に少女が立っていた。

そこには、つい先程まで、誰も居なかったはずだ。
恐怖の感情を示した彼の顔を見て、
そんなことは日常茶飯事とばかりに、微笑んだ。

少女の服装は、真っ白で、
空間に同化して、消えてゆきそうだった。

「君もさぁここに迷い込んだんだ」

そういう彼女の顔は、とても美しかった。
彼女は笑っていたが、彼にはどうも、
憂いを帯びたように見えるのだった。

「早く帰らないとさ?」

――帰れなくなっちゃうよ?

哀しみの色を灯した顔を見て、
これは本当なのだと感じた。




けたたましく鳴り響くアラームを止める。
嗚呼、あれは夢だったのか。
そう思うと彼は少し落ち込んだ。

――あんな美しい人に会えなくなるなんて。

......................................................
あと三話近く続きます。
語彙力と文章力がほすぃ。

『白』→←『会いたい』



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みき(プロフ) - のんこさん» 可愛いだなんて……ありがとうございます (2018年3月17日 17時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のんこ(プロフ) - 毎回毎回、お話が可愛すぎて…・゚・(。>д<。)・゚・きっと、作者さんは可愛いお方なんだろーな…((´∀`*))最後まで頑張ってください!!見守ります!! (2018年3月16日 19時) (レス) id: eb60c4dd1a (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» ありがとうございます! (2018年3月11日 18時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - みきさん» こんにちは。「いきたがり」読み直させていただきました。機械的で、どこか傍観者で、助けられなかった当事者の後悔がよく見えて素敵です(´∀`)他のお話も楽しませていただこました。蒼と蒼汰は混乱しましたが注意書きで理解しました。可愛らしいお話でした(*´▽`*) (2018年3月11日 18時) (レス) id: 4e18fefbbe (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» アドバイスありがとうございます!私なりに変えてみました。どうでしょうか? (2018年3月6日 20時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みき | 作者ホームページ:   
作成日時:2018年1月31日 22時

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