『鬼』 ページ15
「⋯⋯で。あんた本当にそれでいいのか? 後で返せと言われても、返せねえよ?」
「うん。かぐらさんもちゃんとやってよね」
するとかぐらさんは、ハハッっと乾いた笑いを漏らす。
「では最後に。代金は2年ぶんで、願いは恋愛成就。確かか?」
私は頷く。するとかぐらさんは青い鬼火を出す。
それは、かぐらさんの周りに舞っている、鬼火よりも大きかった。
鬼火に、その整った顔が妖しく照らされる。
「じゃあ寿命を抜き取らせてもらおう」
鬼火が私を包み込む。その火はとても冷たかった。
「終わりだ」
「え? もう?」
「二年分だからな。さあさあ早く帰れ。戻れなくなるぞ」
「はーい。ありがと」
少女が立ち去ると、再び店の中は静まり返った。
それにしても。かぐらが言う。
「人間がここに来るのは久しいな」
「300年ぶりくらいでしょうか」
「そうだな。無事に帰れてるといいが」
「大丈夫ですよ。きっと」
鬼火はケラケラと嗤う。
「寿命を軽々しく、鬼に渡すのはどうかと思いますがね」
かぐらはふっと笑って、
「まあ、寿命の使い方は自由だ」
と言った。
立ち上がると、かぐらはさっきの寿命を瓶につめた。
「今宵はこれでおしまい」
END
......................................................
急に異世界ものが書きたくなった。
後悔してる(笑)
かぐらは漢字でかくと、
神の楽しみ
になるんですけど、
そうすると、オリフラ外れちゃうんで。
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みき(プロフ) - のんこさん» 可愛いだなんて……ありがとうございます (2018年3月17日 17時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のんこ(プロフ) - 毎回毎回、お話が可愛すぎて…・゚・(。>д<。)・゚・きっと、作者さんは可愛いお方なんだろーな…((´∀`*))最後まで頑張ってください!!見守ります!! (2018年3月16日 19時) (レス) id: eb60c4dd1a (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» ありがとうございます! (2018年3月11日 18時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - みきさん» こんにちは。「いきたがり」読み直させていただきました。機械的で、どこか傍観者で、助けられなかった当事者の後悔がよく見えて素敵です(´∀`)他のお話も楽しませていただこました。蒼と蒼汰は混乱しましたが注意書きで理解しました。可愛らしいお話でした(*´▽`*) (2018年3月11日 18時) (レス) id: 4e18fefbbe (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - のんさん» アドバイスありがとうございます!私なりに変えてみました。どうでしょうか? (2018年3月6日 20時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みき | 作者ホームページ:
作成日時:2018年1月31日 22時