アンタッチシンドローム ページ8
「優香さんって、どこから引っ越してきたの？」
休み時間、
人懐っこさそうな笑みを、
浮かべた少女が、私に近づいてきた。
「△△県だよ」
「へぇ。結構遠いんだー。
なんで引っ越してきたの？
仕事の都合？」
最も恐れていた質問が。
「……そうなんだー。
今まで、引っ越したことがないからびっくり」
私は嘘をついた。
また話せばいい。
今はまだ、信用出来る子かは分からないから。
「大変なんだね。
私で良ければ話とか聞くから！」
と、彼女は私の手を取った。
「つっ……！」
その瞬間、痺れるような痛みを感じた。
それは、耐えられるようなものでは無かった。
「どうしたの？ 大丈夫」
と、心配そうに、頭を撫でる。
するとそこにも、痛みを感じた。
「……ちょっと具合。
悪いみたいだから保健室行ってくるね」
彼女は疑う様子もなく、
こちらに向かって手を振った。
廊下に出て、自分の手を見る。
先程、あれほど痛かった掌。
それは、いつもの同じような感じだった。
腫れたり、赤くなったりはしていない。
急ぎ足で、保健室に向かう。
その途中、人にぶつかった。
私はよろけて、廊下に倒れ込む。
「大丈夫？ ごめんね、ぶつかって」
と、少年は、私に、手を差し伸べた。
その手を握ると、また痛みが走った。
礼も言わずに、私は急いで保健室に向かった。
そして、早退する事にした。
母が来るまで、
ベットで、休んでいた。
「優香大丈夫？」
と、言うのは聞きなれた母の声。
安心して、ほろりと涙が零れた。
そんな私を心配してか、
母は、私の頬を撫でた。
その頬にも、痺れるような痛みを感じた。
嫌でも思い出してしまう。
あの、忌々しい記憶を。
愛する人に触れることが出来ないのが、
これ程辛いことなんて。
その日の私は、涙が涸れるほど、泣いたという。
END
......................................................
ギルブリージングシンドローム忘れてた……
次それにします。
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兎危@ゆっ家族 - わぁぁあ、私が提案したのが載ってる...(当たり前？)読み方はあってますよ！皆さん読み方を付けてコメントしていたので間違ってはいないと思います！ (2018年5月10日 17時) (
レス) id: 556657c7c7 (このIDを非表示/違反報告)
空百合@募集企画運営のため低浮上(プロフ) - やっぱり何回読んでもめっちゃ面白い(´;ω;｀)私には書けないなぁ…… (2018年5月4日 4時) (レス) id: 3dba0349b8 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 綺夜音さん» ありがとうございます！ (2018年3月28日 9時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
綺夜音(プロフ) - 面白過ぎて、恐縮しましたよ！一気読みしちゃいました！！面白いので、更新楽しみにしています。 (2018年3月26日 19時) (レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！ (2018年3月15日 20時) (レス) id: 46c09611b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みき | 作者ホームページ：
作成日時：2018年3月12日 20時
