奇病患い 【短編集】

インビジブルシンドローム ページ21

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鏡などに姿が映らなくなってしまう病。

透明人間になるわけではなく、人の目からは至って普通に見えるのだが、ガラスや写真などには映らなくなる。

先天性なことも多く、患者には『自分の顔を見たことがない』という者も少なくはない。


発病原因、治療法などは不明。

＿＿＿

何故か私の家には鏡が無かった。
私も鏡というものをそうはっきりと知っている訳では無い。
自分の顔が見る事が出来る。というものと言うことしか知っていない。
何故。と問うと

「……優香が傷つかないために」

と言った。
その頃。幼稚園にも行く前の私には
その意味を理解することが出来なかったが、
今の私には痛い程わかる。

母親は愛していなかったのだ。
私の事を。
別れた父親に似て醜い顔だった私を。

私が一度歩けば、こそこそと陰口を言うもの。せせら笑うもの。
もうそれは慣れた。

ふと立ち止まって、硝子を凝視する。
そこには私が映っていないように見えた。
いや、限りなく薄くいる？

その違和感は、すぐに解決された。
私が望んでいなかった形で。



────こんな事になるとは。



───これはあんまりではないか。



──母はこれを知っていたのか。



─母は私の事を愛していた？


「××さん。××優香さん。後で職員室に来てください」

私怒られるようなことしたっけな。
と、多少身構えながら職員室に向かった。


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インビジブル……
とあるボ カ ロを思い出しました(笑)

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