奇病患い 【短編集】

花散らし病 ページ12

×月×日
病院に行って来ました。
病名は「花散らし病」
大事をとって、入院することになりました。
まだ詳しいことは、
教えて貰っていませんが……
不知の病ではないようです。
××××君が、お見舞いに来てくれました。



×月×日
今日は、いい事と悪いことがありました。
いい事は、花散らし病を、簡単に治せるということ。
悪い事は、その治し方は────
××××君と別れること。
別れないと、死ぬ事もあるようです。
別れたくない。
と思うのは我儘なのでしょうね。


そのページのあとは、
ぐちゃぐちゃに書かれていて、
読めるようなものでは、ありませんでした。
所々、染みになっていたり、
破られたりしています。

その女性は、最後の
何も書かれていないページを開きました。
そして、ボールペンを取り出しました。


×月×日
結果を言わせてもらうと、
花散らし病は、完治しました。
病気のことを話すと、
××××君は、
「優香とは別れたくないが、
優香が死んでしまうのはもっと嫌」
と、別れてくれました。
病気が治っても、
××××君のことが忘れられません。
特に、お見舞いに来てくれた××××君の、
私の周りに散った花を、
「綺麗だね」
と、言ってくれたところとか────


そして、女性は日記帳を元の場所に戻しました。
それには、忘れないよう。
という思いが、込められているように感じました。


END

......................................................
これは所謂メリバト？
それともバトエン？
私にはわかんねーや(笑)

死期眼病→←花散らし病

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す