ありがとう×2 【にのみや】-完結- (ページ6)

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今日は、俺の誕生日だった。

彼女と付き合いを始めてから、ささやかながら互いの誕生日を祝って来ていて、今年もそうだと思っていた。

自分は仕事が終わり家のﾘﾋﾞﾝｸﾞでｺﾞﾛｺﾞﾛしていたら、携帯が鳴った。

『ごめん、今日は早く帰れない。先に帰ってゆっくりしてて』______ 彼女からのLINE。

…もう帰ってるわ。か弱い呟きが漏れる。
どうやら俺は随分今日を楽しみにしていたようだ。

そんな癪な気持ちを隠して、迷った挙句簡単な返事を打ち、携帯をﾃ-ﾌﾞﾙに荒く置く。がしゃ、と音が静かな部屋に響いた。

「 ...つまんね」

腰は重かった。だけど部屋に一人でいるのは辛くて、俺は部屋着のままのろのろと家を出た。
向かう場所は決まっている。こんな気分の時は、近くの公園にいつも行く。

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夕方の公園は、普段子供が沢山いるのに、今日は人っ子ひとりいない。ここでも一人かと恨めしい。

しばらく公園のﾍﾞﾝﾁで、遠くで聞こえる車の音を聞きながら過ごすことにした。寂しい誕生日だ。

ふと、さく、さく、と芝生を踏みしめる音が聞こえてくる。ああ、ついにがきんちょが…そう思って目を向けると、
こちらに向かってくる彼女が見えた。

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