Voyage.3 (ページ21)

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【episode 14】14-1 ページ21

《なんでもないような日常編》

和 side

シェアハウスの裏にある少しだけ広い庭に寝転んで、青空を見上げた。

白い鳥が気持ちよさそうに真上を飛んでいく。

悲しいことがあったり、辛いことがあったりすると、いつもこうして時間を過ごす。

いつもは1人で寝転んでいるけど、たまに他のお客さんがこの庭へとやってくる。

翔「にーの。またこんなとこにいたの？」

和「あ、翔ちゃん。」

翔「今日は一段と天気がいいね」

そう言って隣に寝転んできた。

和「ねぇ、青空ってどれくらい広いんだろう」

翔「どれくらいだろう。でも俺たちが思ってるより何十倍も、何百倍も大きいんじゃないかな」

和「たまにね、こんな広い青空の中で飛んでみたいなって思うの」

翔「うん」

和「でもさ、俺には飛べる才能なんてないし、羽もない。鳥って羨ましいよね、生まれた瞬間から翼がついてて。

、、、俺も飛びたいな。」

翔「にの、、、なんかあった？」

和「ん？なにもないよ。ただ気持ちよさそうだなって思っただけ。」

毎日が流れるように進んでいて、昨日から今日。今日から明日。

時間に追われるように季節も流れていく。

ふとした瞬間に、今歩いてる道はこれでよかったの？と過去の自分に聞いてみたくなる。

過去の自分は写真の中で無邪気に笑っていて。

そんなこと、聞いてもどうせ答えは返ってこないんだろうなとは思うけど。