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「13さん、貴方の気持ちには応えられない…!」
「…アダムが好きだからか?」
私は無言で静かに頷くと13さんは深い溜息を吐き、私の上から退いてくれた。
「あの13さん」
「実はなAが好きだって言ったの嘘」
言葉を遮るように13さんは何も無かったような表情で私に笑いかけた。
でもいつものような飄々としてる笑顔ではなく何処か少し引きつったような下手くそな笑い方だった。
「俺アダムの事が好きだったから態とお前に告ったの」
「そうなんですね…」
「そーなの。僕チャン実はそっちの気あったんだよな〜」
私からずっと目線を逸らして話し始めた彼の意図が分かった私は小さな声でありがとうと言うと13さんは驚いたような顔で私を見た後被っていたフードで顔を隠した。
「あーホントお前みたいな女苦手だわ」
「私は13さんみたいな人好きですよ」
13さんは自分の頭がぐちゃぐちゃになるのも気にしてないのかガシガシと頭を掻き私を軽く睨みつけるように見た。
「あーもう!Aが悪いんだからな!?」
何がと言うとした時には肌が雪のように白い端正な顔付きをした13さんの顔が目の前にあった。
アダムとはまた違った種類のイケメンだなとぼんやり思っていると口の端に柔らかい感触が当たった。
「ぼんやりしてたら食われちまうぞバーカ」
いつもの黒いマスクを着けながら彼氏がお待ちなんだろさっさと行っちまえよと無愛想に言い私に背を向けてベッドに寝転んだ。
私はもう一度ありがとうと言い部屋から去ろうとした瞬間。
「本当に好きだった」
部屋を閉める直前微かに聞こえてきた独り言に聞こえないふりをして私は静かに扉を閉めた。
部屋に戻るなりアダムが慌てて私の傍に駆け寄ってきた。
余りの慌て様に笑いそうになったがそこは必死に堪えた。
「ただいま」
「おかえり…突然13殿に乗り換えたとか言うのは無しだぞ?」
アダムは柄にもなく眉を下げ私の両腕を力強く握り締めてきた。
まるで捨てないでとでも言いたげな表情と態度に私は彼を安心させる為抱きついた。
「私が好きなのはアダムだけだよ」
アダムの背中をぽんぽんと叩きながら言うと少し安心したのか私に体重を預けてきた。
「俺の身体は女王陛下のものだ」
「私もこの体はマリア様のものだよ」
「……でも心はAのものだ」
「うん、私も…うーん」
私の返答が気に食わなかったのだろうアダムは半目で睨んできた。
その表情が可愛かったので私はアダムの頬を軽くつついておいた。
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ブリ(プロフ) - 葉流@マルコス愛さん» ありがとうございます!アダムいいですよね…!しかもシーズン来ますしお互い頑張りましょうね!! (2019年1月27日 15時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
葉流@マルコス愛(プロフ) - はぅ……だむぅ……よき( (2019年1月23日 20時) (レス) id: e55367f9ec (このIDを非表示/違反報告)
ブリ(プロフ) - 扇ちゃんさん» 温かいお言葉ありがとうございます!今作も見て頂けてとても嬉しいです...!扇ちゃんさんのご期待に添えるような小説が書けるかは分かりませんが精一杯頑張らさせて頂きますので見て頂けると幸いです! (2019年1月16日 15時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
扇ちゃん - ブリさんの新作楽しみに待ってました…!またアダム落ちで、しかも今回は色んなコンパスキャラが出てきて嬉しいですヾ(●´∇`●)ノ更新無理せず頑張って下さい!!!応援してます(`・ω・´)ゞ (2019年1月16日 14時) (レス) id: f2fb5d5d4d (このIDを非表示/違反報告)
ブリ(プロフ) - ソーンきゅんさん» コメントありがとうございます…!更新頑張らさせて頂きますので読み続けて頂けると幸いです! (2019年1月10日 14時) (レス) id: 15ed17f676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブリ | 作成日時:2019年1月4日 17時