理想の誕生日～倉安編～2 (ページ12)

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やすくんの誕生日～ボクの本当の願い③ ページ12

大倉side

「また、思いだしちゃったん？」

「う、うん。」

「俺、帰ってきたやろ？」

「うん。」

「だから、大丈夫やろ？」

「そうなんやけど。」

そう言うと、俺の体にしがみついてきた。

ごめんな。

俺が絶対守ってやる！

と言いながら、こんなに寂しい思いさせちゃって。

「俺のほうこそ・・・ごめん。
疲れてるのに。」

「んなことないけど。
俺も、もう一つ謝らなきゃいけないこと、あるんだ。」

「え？なぁに？」

「今年の誕生日、」

「あ、そうだ。」

「今年は一緒にいられへん。
舞台挨拶にまわらな、あかんから、
いつ終わるか、わからへん。
もしかして、日付が変わってしまうかも、
しれん。」

「仕方ないよ、お仕事だもの。
やっと映画が公開されるんやから。

俺も嬉しいよ、やっと見てもらえるんだから。」

「ほんまに？」

「だってあんなに頑張ってたやん。」

「内容が、内容だからね。」

あ、自分で言うてもうた。

「ほんまやね。」

と言いながら笑ってはいるけど。

「なぁ、映画見に来るん？」

ずっと抱えていた疑問を思い切って彼に聞いてみた。

「どうしようかな～(笑)。」

お、おまえなぁ。

「大倉はどうなん？
俺に見せたいの？見せたく無いの？」

「見て貰いたい気持ちも、すごくあるし。

ショックをうけられても、辛いし。」

「ありがとう、
その気持ちを受け止めて、
どうするか、考えるね。」