続幸平の娘は地獄の合宿に行くようです【食戟のソーマ】 (ページ42)

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遠月を巡る因縁2 ページ42

｢彼らはこの合宿のために自分の店を休みにしたり副料理長(スー・シェフ)に任せるなりして来てくれる
そこまでやるのにはボランティアでは割に合わないだろう?｣

『確かに…』

｢詰まる所
この合宿は学園を出た後のリクルートの材料にもなるという事だ
料理人は店から店へと修業を重ね良い人材ほど新たな店(ステージ)へと渡っていく…
だからこそオーナー・シェフにとって従業員の確保は最優先事項になるー
調理場での『正しい資質(ライト・スタッフ)』を確保する事がいかに難しいか
卒業生は皆知っているのさ
そこで遠月の在校生を品定めしておこうという訳だ
この合宿は学園側と卒業生側それぞれにメリットがあるんだよ｣

『はー…
なるほど～』

納得するA
そしてスター・シェフに認められた事実を飲み込めない恵

｢幸平さん…
君なら遠月リゾートでもモノになるだろう
いつでも歓迎するよ｣

ちゃっかりAに声をかける瀬名

『…ありがたい話ですけど
私には｢ゆきひら｣があるんで』

上着を捲りゆきひらのTシャツを見せるA

｢そうか…
君の実家も料理店だったな｣

『はい
父さんと二人で切り盛りしてきた店…
今はどこで何してんだか分かりませんけど
いつか絶対あの父さんに認められてゆきひらを背負う料理人になりたいんです』

そう言いAと恵はホテルを出た

｢……
三ツ星狙うんですって～?｣

｢聞こえてたのかよ…｣

｢何なら私が手伝いに行ってあげましょうか?｣

｢ハッ…
そうだな
召使いとしてなら雇ってやるよ｣

｢なんですとー｣

2人の会話している中堂島はAの後ろ姿を見てある人物の面影が重なった

｢堂島さん…?
どうかなさいましたか?｣

｢む
いや…｣