続幸平の娘は地獄の合宿に行くようです【食戟のソーマ】 (ページ30)

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メタモルフォーゼ1 ページ30

課題開始直後のA会場では生徒達が品を作っていた

『へー!
きれいなもんだねぇ
こんな料理初めて見た
エッグ…ベネ?
何だっけ?』

Aに声をかけられたもえりなは気が散りながらも作る手を止めなかった

｢君…
もしかして『スフレ』の何かを作るつもり…?｣

『うん!
私はオムレツで行く
卵白をメレンゲ状に泡立ててから焼くことで普通のオムレツじゃ味わえない食感に仕上る…
それがスフレオムレツ
予想外の食感に出会うことも料理の｢驚き｣のひとつだよね
ビュッフェ用にちょっと小さく作るから｢ミニスフレオムレツ｣ってことかなー』

説明を聞いたえりなは目を丸くした

『…?
何?』

｢いいえ?
何でもー
(食感ねぇ…)｣

えりはニィッと口角を上げた

E会場

｢よし…
完成!
プチサイズのロコモコ丼!｣

水戸が作ったメニューはハワイの郷土料理でごはんの上にハンバーグと目玉焼きを載せた丼ぶり

ロコモコ丼を見た子供たちは目を輝かせていた

｢へぇ!
ビュッフェでロコモコとは…
面白いね!!｣

箸を入れるとハンバーグの肉汁が溢れた

はむっもぐもぐじゅわぁぁぁ

｢(ぷるぷるの半熟目玉焼きが極上リブロース肉から練り上げたハンバーグと絡み付き…
そしてごはんの上品な甘みが口一杯に広がる!
力が漲るような品だ!!)
それに…
ロコモコにはグレイビーソースをかけるのが定番だがこれには『ソース・ヴィネグレット』だ!
白ワイン酢(ビネガー)の爽やかな酸味が卵黄のとろみと肉のジューシーさを引き立てている…!
素晴らしい完成度だ!｣

ロコモコ丼を作り出していく水戸

しかし

ジッ

｢なっ…!?｣

水戸の顔を見ている女子生徒
その女子生徒はAの所に来ていた生徒だった

｢テ…
テメェは…!｣

｢うーん…
アナタどこかで見覚えが…
ああ!
思い出した!
えりなの下についていた子ね?
でも最近見かけなかったわよねぇ
……あ
…えりなに見限られちゃったの?｣

｢る…
るっせぇー!!
ぶっ飛ばすぞコラァー!｣

悪気がないように言った女子生徒の言葉にキレた水戸

｢あ!
私も持ち場に戻らなきゃ!
ごめんあそばせっ｣

女子生徒は持ち場に戻ったが水戸は彼女の料理が分からなかった

なぜなら

ゆで卵に殻の付いた卵に割った生卵がセットで皿に盛り付けられており彼女の品には誰も見向きしていなかった