【MHA】ヒロインなんか望んでない (ページ2)

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プロローグ(最速のフラグ回収) ページ2

『でっっっっけえ……………………』

鉄製の3mはあるであろうドアの前に立ち、私は今日5回目のその言葉を発した。

今日は雄英高校ヒーロー科の初登校日
倍率300をギリッギリのラインでくぐり抜け、やっとの思いで華のJKの仲間入りだ

『これは鳥肌もんですわ……小学生の私、わい頑張ったで…………雄英入ったで………………』

そう、今この視界に入っているものは、昔からヒーローに関してだけは人並みに焦がれ憧れてきた私にとっては非常～～～に感慨深い景色だ。ドアだけど。

しかも…まあ、ヒーローを目指すとはいえ、高校生。つまり青春だ。

それこそ、日常のちょっとした会話…放課後の勉強会…女子とのあんなことやこんなこと…いうなれば下心が色んな意味で弾みまくりである。

…なんていう朝限定低血圧(当社比)による脳内茶番はさておき、ドアに立ち続けて3分、流石に教室に入ろうとドアに手をかけた。

…新しい環境へ乗り込むのだ。ドアを開けるにも第一印象は大事だ。
と、いうことでやっぱり10パターン考えてきた中の案C、

『優雅にドアに手をかけ優雅に足を運び優雅なオーラでみんなを黙らせ「ご機嫌いかが？皆様(ﾆｺｯ(美しい(格が違う」というパターンで最初の瞬間から私の良さを最大限に出す』

でいこう(正気です)
私はドアにかけた手に力を込め、新生活の1歩をなんか、こう、ものすごく優雅に踏み出したのであった…

＿＿あ、そうだった。雄英入ってウキウキしてたのはここまでだったんだわ。

『…ｵｷﾞｬｧｯ!?!?…踏み出……出？！？

………は？？』

＿目の前にはパツキンにメッシュのウェイが私の胸に付いた控えめの宝玉(直喩)に向かって…というか突進するような格好で体制を崩している。

そう、あとはお察しください要は「デジャヴ」だ！！！！！クソッタレが！！！！！！！

＿＿そう、これが私の高校生活第一声である。華のJKとしての私からこのようなあまりにも汚すぎる半角カタカナの羅列が産声として飛び出たのだ。

後に知ることになるが、これが私の人生の中の1番の黒歴史である、クソ高校生活の始まりだ。