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『りょうくん曰くさ、としみつくんって無言実行?の方がかっこいいって言うタイプらしいやんね?』
と「まあ、それは……うん」
『でも私って、ほら。あんまりそういうの得意じゃないじゃん。なんでもズケズケ言っちゃうし、図星突くし』
だから。
『だから……簡単に言えば、私の性格ってとしみつくんと合わんのかなって』
と「そんなこと、」
『いや、うん。性格合わんは違うかも。歩み?が合わんって感じ』
それに関してはとしみつくんも思い当たるところがあったようで、軽く頷いてくれた。
『だから、合わせようかなって。としみつくんが自分から、私にどうなって欲しいか言ってくれるまでは、離れたとこで待ってようかなって』
思ってた………んだけど。
『でも、良かった。さっきの話聞く感じ、絶対としみつくんからは言い出してこんかったもんね』
と「俺は……うん。もう完全に嫌われたんだろうなって思ってた。から、今日も声かけるの、めっちゃ迷ってたし」
『そんなに?!私、普通に喋っとったやん』
と「うん……でも、前なら2人で喋るような時に全く目も合わせてくれんから」
『あー……まあそれはそうかも』
うん、なんかもう言いたいことは決まった。
『多分だけど、私たちってお互い言いたいこと言わない状態が一番向いてないね』
と「そう……かもね」
『お互い変な邪推ばっかりしてたってことやん。もう、そういうのやめない?言いたいことあったら言おうよ』
と「うん」
『とりあえず、私も今日、助けて貰ったので、なんか弟フィルターだいぶと薄まったし、これからは頼りにさせてもらうかも。……って感じでどうですか?』
と「……うん」
私の言葉を噛み締め、彼は微笑んだ。
と「良かった。今日、浅谷さんのこと見つけれて」
『それはホントにそう。ありがとうね』
と「りょうには言わんの?家のこと」
逡巡する間もなく、即答する。
『言わない。あんな話、知らなくていいなら知らない方がいいし…………それに、もし何かあってもとしみつくんが頼らせてくれるんでしょ?』
と「任せてよ。俺、多分しばゆーよりは筋力あるよ」
『めちゃくちゃ暴力で解決しようとしてるじゃん』
2人で笑ったのは久々だった。
と「とりあえず、りょうに連絡する?」
『だねぇ』
シートにもたれかかりスマホを触る。
『うわ、鬼のように着信来てる』
画面を2人で見て、また笑った。
なんとなく、本当に前より距離が縮んだ気がした。
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作者名:蚕虫 | 作成日時:2023年10月23日 10時