【ご報告】東海オンエア、引っ越します ページ1
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り「おはよー」
虫「おはよう」
『おはよ。寝れた?』
り「めっちゃ寝た。Aは?」
『昨日18時間寝たらさすがに寝れんくて今徹夜明け』
て「馬鹿すぎでしょ?」
『風邪治ってきたからって一緒に徹夜したてっちゃんのが馬鹿だと思う』
り「どっちもどっちね」
それはそう。冷えピタを貼った頭をソファーに投げ出し、それでもスマブラを続けるてっちゃんはもはや異常だ。熱は下がっているとはいえ、絶対に徹夜なんかするべきじゃない。
私も、2日徹夜して18時間寝て、また徹夜なんて絶対良くない。
『分かってるけど、』
て「それだけで止められたら苦労せんのよ」
『それ』
虫「単細胞にもほどがあるって」
ざわくんとりょうくんはそれぞれ定位置に座り、ふぅと溜息を漏らした。
り「あ、そうだ。今日引っ越し動画撮るよ」
て「あー、そっか。もう向こう準備出来たんだっけ」
り「そうそう」
向こうというのは、新しい撮影スタジオだ。数ヶ月前から準備をしてきた引っ越しが目前に迫ってきている。
長く住んだ思い出だらけのシャイニングヒルズともお別れだ。
しみじみする私とてっちゃんに反し、ざわくんはご立腹だった。
虫「ていうかさぁ、ホントにまたさやりんとてつや、一緒に住むの?」
て「いやそれ毎回聞いてくるけどなんなの?逆に一緒に住まん選択肢が無いんだって」
虫「無いことないでしょ」
いや、無いなぁ。心の中で私は呟く。正直、今の私は人の居ない生活は出来ない。いつあの男がまた、現れるかも分からないのに。
てっちゃんもてっちゃんで私を野放しにするなんて、気が気じゃないだろう。
ただ、ざわくんは如何せん過保護なので、どうもてっちゃんと私を引き離したがっているようだった。
虫「前言ってたのホントなの?ホントにさやりんがてつやと住みたいの?」
『まぁ、そうだね』
り「なんで?彼氏と同棲しなよ」
『えっ、すーごいチクチク言葉じゃん。居ないって知っててそれ言う?』
急に会話に入ってきたくせに、物凄いことを言われた。反抗として近くにあった輪ゴムを鉄砲替わりに打ったけれど、さすがの反射神経で笑顔のままに掴まれる。
虫「そろそろ離れた方が良いと思うけどなぁ」
て「でも1人で住めんよ?この人」
虫「それなら、彼氏じゃなくても……誰かしら友達とルームシェアとか」
り「あ、」
「「ん?」」
また急に声を上げた伊達男は、白い歯を見せた。
り「俺と住む?」
「「『……ん!?』」」
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作者名:蚕虫 | 作成日時:2023年10月23日 10時