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虫「僕はさらに衝撃を受けました。こんなに他人想いな子が居るのかと」
て「うん」
虫「さやりんの言葉に、自分を良く見せようという気は全く感じられませんでした。だからこそ、物凄い衝撃だったのです。本当に、世のため人のため、アイドルをしている女の子が居るのかと」
り「めちゃくちゃいい話じゃん」
虫「その頃の僕は荒んでいて、いわゆる偽善が大嫌いな捻くれ者だったのですが、あなたに出会って全てが変わりました」
と「人生変わっちゃってんだ」
虫「僕はさやりんに出会って、初めて純粋な善意が本当に存在することを実感しました」
ゆ「なんか泣けるわ…………」
り「ゆめまるまで？(笑) 」
虫「さやりんは、強くて優しくて美しい、僕の太陽です」
て「ほぉ」
虫「デビューのその日から、手話も異国の感謝の言葉も完璧で。握手会で泣きながら相談してくる子には、「あとでブログに書いて！返信するから！」と言って本当に返事をしたり」
ゆ「すごいねぇ」
虫「有言実行を上回る無言実行を、苦もなくやってのけるアイドルはさやりんの他に居ないと思います。そして今後も、さやりんを超えるアイドルは、僕の前に現れないと確信しています」
て「すごい言い切るね？」
虫「最後に。天性のアイドル、さやりん。今どこで何をしていますか？」
て「隣の部屋で寝こけてますね」
虫「あなたのことだからきっと、今もどこかで誰かの支えになっているんでしょう」
て「まあ支えにはなってるね？俺らの」
り「カメラマンとしてね？」
虫「だから僕も、さやりんに恥じない生き方をしようと思います。あなたが居ないアイドル界は寂しいけれど、あなたが信じさせてくれたアイドルの美しさを、これからも信じていきたいです」
と「良い話」
虫「アイドルになってくれて、アイドルで居てくれて、ありがとうございました。僕は一生、あなたが大好きです」
て「すご(笑) 」
虫「P.S. 握手会の時は気持ち悪い反応をしてしまい、すみませんでした。あの日の掌の温もりは生涯忘れません。虫眼鏡より」
て「……なかなかの重さでしたけど」
り「あと結構な長文ね？」
虫「多分この手紙を渡せる機会は来ないと思うけど」
て「なんなら一番簡単だよ？」
り「手渡せるもん」
虫「いやー、緊張した」
り「としゆめはなんで泣いてんの(笑) 」
ゆ「感動しちゃったぁ」
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作者名：蚕虫 | 作成日時：2023年10月5日 19時
