マクドナルドを食べました ページ5
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しばらくてっちゃんにすら会わない日々が続いていたけれど、7月も終わりに近づいたある日、久々にマックに呼び出された。
今忙しいと断ってみても、「じゃあマック奢るから！」と訳の分からんことを言われて電話は切れる。まあ、そりゃそうなるわな。私は意を決して、徒歩で指定されたマックに向かった。
するとそこには。
り「あっ………はじめまして。浅谷さんですよね？福尾亮です」
『ああ、うわさの！』
ちゃんと立って挨拶をして、その上椅子を指し示してくれる好青年が立っていた。
そして、りょうに会って私はようやく思い出す。そうだ、普通はこうやって女には一応椅子を下げてあげたりするもの…………いや、そんな普通はてっちゃんとしばゆーには通用せんか。
『2人にこんなちゃんとした友達居ったんやね』
て「なぁんでそんな俺らがちゃんとしとらんみたいな」
『しとらんでしょ。なんね、そのTシャツ。洗っとる？』
て「洗っとる！！ちょっと干すの忘れてただけで」
『嘘だ。母に聞いとるからね。また風呂入らんかったって』
て「っだー！！うるさい！」
『人の事呼び出しといてそれ？！』
て「りょうと顔合わせさせよーと思ったの！」
不意に飛び火した亮くんは、ニコニコのまま首を傾げた。
り「え？浅谷さんもメンバーなの？」
『いや、まさか』
即座に否定してみせると、しばゆーが飲んでいたQooを吹き出した。
し「そんな嫌？」
『嫌に決まってる。私はニートエンジョイしたいの。働きたくないの』
し「最低だコイツゥ」
ケラケラ笑うしばゆーの前で、てっちゃんはご立腹だ。
て「メンバーにはせんけど、絶対関わりは出来るでしょ。俺の幼馴染なんだから」
『それはそうかもね。よろしくお願いします』
り「こちらこそ」
ああ、マトモだ。そう思うと同時に、自然と口が開いた。
『てっちゃんのことも、よろしくお願いします。出来れば一生。私の手を煩わせんように』
て「ひど！」
ピーピー言ってるてっちゃんの横で、亮くんは真っ白な歯を見せて笑った。
り「俺は浅谷さんとも仲良くしたいけどね」
『あ、それは勿論。呼び方もそんなちゃんとしなくていいよ。アサヤでもAでも』
り「じゃあAちゃんって呼ぼっかな」
『うん』
朗らかに微笑み合う私たちの前で、てっちゃんとしばゆーは何やらぶつくさ文句を言っていた。
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作者名：蚕虫 | 作成日時：2023年10月5日 19時
