向日葵に水やりを【Takumi.K】 (ページ19)

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『ごめんな。スマホ忘れて連絡出来ひんかった』

｢一緒に回れてるので大丈夫！嬉しいです！｣

『相変わらずやな』

｢？｣

先輩が言ったことが理解出来ずにポカンとしている私を見て、気にしやんといてと言っていた

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拓実先輩とたこ焼きを半分こした

熱がっている先輩は可愛かった

あーんしてくださいって調子に乗って言ってみたら『絶対嫌や』って言われた

思い描いていたのとは少し違ったけど、それでも楽しかった

｢そういえばステージ何時からなんですか？｣

『え？今何時？』

｢1時ですよ｣

『やば、もう行かなあかんわ。あんま回れんくてごめんな。終わったらまた回ろ』

そう言うと先輩は体育館の方へと走って行った

しばらくして先輩のステージを見るべく、私も体育館へと向かった

それなりの席に座り、ステージでの出し物が終わった生徒は捌けて、次に出てきたのは拓実先輩たちだった

拓実先輩はセンターマイクがある位置に立ち、首からギターを下げていた

先輩ギターまで弾けるとかカッコよすぎる…

拓実先輩が歌った曲は有名なバンドの曲で、先輩の甘い歌声に周りの女子はざわめき出す

｢えっ、あの人誰？｣

｢川西拓実でしょ？ヤンキーの｣

｢てかよく見たら川西ってイケメンじゃない？｣

｢わかる、川西かっこいいよね｣

右から左から拓実先輩を褒め称える声が聞こえてきて、ちょっとムッとする

1曲目を歌い終えるとどこからか情報を聞きつけた女子が体育館に押し寄せて、拓実先輩のステージを恍惚の眼差しで見つめていた

みんなしてミーハーじゃん！
私はずっと前から好きだったのに！

って気持ちでいっぱいだけど、ステージに立って歌う拓実先輩の姿を目に焼き付けた

ステージ終わりの先輩に会いに行ってかっこよかったです！って伝えたかったけど、女の子に囲まれていて声をかけられなかった

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