【d!】ヘビースモーカーと嫌煙家【z/m】

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総務課の仕事を大まかに言えば雑用だ。この仕事に誇りを持ってる人には怒られるかもしれないけど。


今日も今日とて資料整理。
古くなった資料の破棄の為に資料室に足を運び、ファイルの背表紙を指でなぞりながら古い資料のある棚に向かう。


ファイルを取り出し中身を確認して古いものは破棄用のダンボールに放り込む。
これをオフィスに持ち帰りシュレッダーにかけるのが一番めんどくさい。なんでもっと一気にかけられないかな。


一人心の中で文句を言いながらも着々と作業は進めて行く。
今日一緒に作業をするはずだった人は風邪で欠勤。他の人も月末の締めや帳簿整理で忙しそうだったので一人で作業することになったから急がなくては。


資料の分別があらかた終わり重たい段ボールを運ぶための台車をオフィスまで取りに行く。


「あれ、台車は？」

「荷物が届いたからってさっき徴収されてたで」


マグカップ片手に給湯室から戻ったゾムくんが私の独り言に返事をしてくれる。その返答に絶望してその場にへなへなと座り込む。
それを見たゾムくんはクスクス笑い私の手を取り立たせてくれる。


「俺が手伝ったるから、な？」


元気出し、って肩を叩かれる。
結構量あるよ、と肩を叩き返すとウゲーって顔をする。


二人で資料室に行くと資料室独特の紙の匂いがする。
何度入ってもこの匂いにはなれない。


不要な資料が大量に入った段ボールたちを見てゾムくんは呆れたように詰めすぎやろ、と言う。
しょうがないじゃない、台車で運ぶつもりだったんだもん。


「俺運ぶから先輩はええで」

「え、何言ってんの私も運ぶよ」

「こんな重いもん女の子に持たせられるわけないやろ」


よっこいせと段ボールを軽々と持ち上げるゾムくんにさり気なく女の子扱いされて呆気にとられるけどじっとしているわけにもいかず自分も段ボールを抱えようとしゃがみ込む。


「ちょ、ちょ、ちょ、あかんて！腰やったりしたらどうするん！」

「そんなひ弱じゃないよ！」

「あかん！これ持っとき！」


自分の抱える段ボールから資料を何束か私に手渡す。
よくそんな重い段ボールを片手で持ってなおかつその中から紙の束を取り出すな。力持ちか。

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