【d!】ヘビースモーカーと嫌煙家【z/m】

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(あんのクソ一課長…)


見慣れた喫煙所。何人もの人が出入りする中自分だけはこれで三本目のタバコに火をつけた。


そういえばゾムくんは嫌煙家だったなと、不意に彼の顔が思い浮かぶ。
やめなきゃなと思いつつも今だけはどうしても許してほしい。


それは先ほど、課長に呼ばれ彼の元に行った時。
伝達漏れがあったと課長に叱られるもそんな要件は聞いてない。それもそのはずで、元を辿れば上司自身が伝達していなかったことを理不尽に注意されたのだ。


課長自体のことは嫌いじゃないけど半年に一回くらいやるなんとも抜けた感じのミスが私は嫌じゃ。
しかも今回は私が被害を受けるという。


途中で課長が違和感に気づいて謝ってくれたけどそれがなかったらきっと私は何もしてないのに謝ってその場をやり過ごした。


課長のミスを理不尽に当てられたことに対してイラッとしたことよりも、なにも言い返せなかった自分に自己嫌悪する。
それで八つ当たりじゃないけど昼食も食べずにタバコ吸ってるってやばいよなぁ、私。


.


終業時間になり帰り支度を始める。
一服してから喫煙所を出て、帰って寝ようと意気込みエントランスを抜けると、会社の前にある円形ベンチに座るゾムくんに声をかけられた。


「一緒帰ろ」

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