【d!】ヘビースモーカーと嫌煙家【z/m】 (ページ26)

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帰り道、ゾムくんが私の家の最寄りの駅まで送ってくれる事になった。
本当は彼は家まで送ると言ってくれたのだけど駅から家までなかなか距離があるので帰り道など逆にこちらが心配になってしまうしそれ以前にただの先輩の為にそんなことは申し訳なさすぎる。

それを言ったらきっとゾムくんは、そんなことあらへんのにって拗ねるだろうから前者の理由だけ伝えた。
それでも、俺迷わへんもんってムスッとしてたけど。

私の最寄り駅までほんの数駅の車内を他愛もない会話をして過ごす。
ゾムくんは私とは真反対の駅だからこの状況がとても悪い気がしてならない。

駅に着きプラットホームでお別れかと思えば、改札まで行くとポツリと呟き彼は私を横切り歩き出す。
この状況が悪い気がするのにむず痒い。

改札を出る手前で立ち止まりゾムくんに向き直り、また明日と挨拶をすると短い返事が返ってきた。

「お疲れさん、向井」

それと同時に背中から聞こえた声に背筋が凍る。
相手がわかっているからこそすぐには振り返れずにほんの何テンポか遅れて声の主の方に顔を向け何食わぬ顔でお疲れ様ですと返す。

そこには予想通りの人物がいて、予想外だったのは一度見たことのある女性とこの世に生まれてからは初めましてな可愛い赤ちゃんがいた事だ。