【d!】ヘビースモーカーと嫌煙家【z/m】

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ゾムくんをデスクに案内して向かいの自分の席に着きパソコンを立ち上げるときにふと思い出す。


確かこの子、この会社に入ってきたばっかの時女性社員たちの間でかっこいいと話題になっていた子だ。


それは三年前。毎年大部屋を貸し切って行われる新入社員歓迎会の時のこと。
社長が数十人いる新入社員を一人一人紹介していく中でゾムくんともう一人の紹介があると女子社員のざわめきが起こった。


「あの子可愛い〜」

「めっちゃタイプ」

「グルッペンさんとトントンさん以来じゃない？こんなイケメン入るの」


そんな周りの会話に確かになぁと私も思ったのを覚えてる。
確かそれから少し経って喫煙所で総務二課長と一緒にいるゾムくんをと出くわして噂の子だと思ったことも思い出した。
まさか三年前の噂の子が同じ部署に来るなんてね。


「俺ショッピって言います。よろしくお願います」

「よろしくお願います」

「俺のが後輩なんで敬語とかいらないっすよ」


デスクが近い人達に律儀に挨拶をするゾムくん。
私の隣のショッピくんと会話しているとなんだか異次元にいるみたいな感覚に陥るほどの二人の顔面偏差値の高さに驚く。


ショッピくんは今年入ってきた新人くんだけど、まだきて半年も経ってないなんて思えないほどに有能な人だ。


「向井先輩も改めてよろしくお願います」


ペコリと頭を下げてから上がってきた顔がとっても良い笑顔でやっぱりすごくタイプだなと脳内で思っていながらよろしくね、なんて平然を装って笑った。

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