キミと恋したい

同期のなべ ページ6

なべの事は最初「翔太」って呼んでた

私のことを「A」って呼び捨てにしたのは

なべが最初だった



会社に入って一番最初に好きになった人はなべ

他の女子より仲良いアピールしたくて翔太って呼んでた私

今考えると嫌な女だったなって思う




なべの最初の印象は怖い人

質問しても表情変わらないし

佐久間と対照的で何考えてるかわからなくて怖かった

だけど、それもただの人見知りなだけで

誰よりもゲラだし言葉のセンスピカイチなのに後々気づく


自分勝手すぎてB型マジありえん！て思う事も多々あったけど

ある時私はあっさり恋に落ちる





部署に配属されて最初の歓迎会の飲みの席

渡「人見知りだから、ずっと隣にいろよ！絶対だかんな！」

と、なんとも強がりなお願いをされた私は

律儀にずっと隣にいた









飲み会がお開きになる時

なべはベロベロに酔っていた

ふっかと私で必死にタクシーに詰め込んで

ふっかは助手席、私となべは後部座席に座った


そのうち小声でなべがぶつぶつ喋ってるから

『え？なに？気持ち悪い？』

て耳を近づけたら




渡「新入社員だからってアイツら飲ませすぎ」

「Aの隣いたのやっぱり正解だったわ。そんな簡単に飲ませるかって。」




なべは自分のためじゃなくて

私のお酒を代わりに飲むために隣にいたらしい

なんか減ってる様な気はしてたけど、全然気づいてなかった私

なべだってそんなにお酒は強くないのに何してんだか

でもすごく守られてる感を感じてドキドキした


しかも



渡「A、大丈夫だったか？」



なんて手を握られながら切なそうに言われたもんだから

私の顔は赤面した





タクシーの中暗くてよかったって思った夜だった

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