小説家Aのありがちな短編集【オリジナル】

小説家Aのお礼【読者様へのお礼も兼ねて！】 ページ3

　鳴り止まない通知音。さっきから何度も似たような内容の通知が来ている。

『作った作品の順位が更新されました』

　折角小説と銘打ったからには、読んでくれる人が居なくては面白くない。そう思って彩は、『文々。』と社員名を使用したペンネームを使い、先程の小説をとあるネットの小説サイトにて公開したのだが……

「予想以上に、伸びた………」

　そう。彩の予想を遥かに上回り、小説は公開からほんの数時間という短い時間で総合ランキングの第一位を獲得してしまったのだ。箱から適当に出てきた三つのお題で書いたと言うだけの適当な小説がここまで伸びるとは思っていなかったので、短編集とはいえ続きの短編も気が向いたら、書きたいものが決まったら更新しよう程度の気持ちだったのだ。細々と好きなものを書くつもりがあんがい多くの人に知られてしまったらしい。

　彩はしばらく考えた。お礼をしたいが、そのためだけに小説を更新して通知を行き渡らせるのだ如何なものなのだろうか。とはいえ何か新しい案があるわけでもないし。

「……あ」

　また通知。彩を急かすようにも思えたその通知音に、一層の焦りを感じる。……待てよ、これなら書けるんじゃないか？そう、今の彩のように感謝の気持ちを伝えようと悩むのを適当なネット小説家として書けばいいじゃないか。名案だ、と早速パソコンに向かう。いつも以上に文字書きの捗る彩を見て社員達は意外そうな顔をしていた。

「……これで、よし」

　最後にお礼の一文を添えると、彩は小説を保存して、パタンとパソコンを閉じたのだった。



小説家Aのありがちな短編集、閑話。
執筆者から読者様へ、多大なるお礼を。



読者の皆様、総合一位ありがとうございます！
お礼の為だけに更新する気になれなかったので小説で気持ちを伝えてみました 笑
閲覧及び評価をして頂いた皆様、本当にありがとうございます！
これからも精進して行きますので、ぜひぜひ更新をお楽しみに……！

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