Sho.S* 愛は終わらない 2 (ページ19)

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賑やかな外の街は、

今の私たちにはあまり現実的ではなかった。

ただ、繋がれただけの掌が寂しくて、

指と指を絡ませるような、それに変える。

・・・戸惑いながら。

.

櫻井さんは、一瞬驚いたように私の方を見たけれど、

すぐに、ふ、と息を吐いて

ぎゅ、と絡まるそれに力を入れてくれた。

.

ああ、泣きそうだ。

なんで、泣きそうなくらい、会いたくてたまらなかった人を。

こんなに、傷つけてまで遠ざけたんだろう。

そうしたのは、私の弱さだ。

.

＿まだ、大学も卒業してない20歳の君が、大企業の副社長で次期社長になる彼の支えになれる？＿

.

大人になりたい、と望む私にとって、

自分が子供だと突きつけられる言葉を私は受け止められなかった。

.

足取りが、重くなる。

繋いだ手が、絡んだ指が、震える。

.

＿まだ大学生の、真栄城さんに。
結婚なんて話をするなんて酷だ、って。怒られた。＿

.

ああ、私は。

・・・子どもだ。

色んなものを張り付けて保っていたものが、

ぼろぼろ、と剥がれていく音が聞こえる。

.

「＿Aちゃ、ん？」

.

ぽろん、ぽろん、と転がった涙は、

止まってくれない。

櫻井さんは私の顔を覗き込んで、

私が泣いていると分かると、ひどく慌てた様子で

もう一度私の名前を呼んだ。

.

大人の彼の隣にいるのが、

子どもの私だなんて。

.

私より、きっと彼の方が、

分かっているはずで。

.

櫻井さんが、嫌だといえば。

もう、それで終わりなのに。